高橋尚子さん(金メダリスト)、藤野英己教授、天野英紀社長による座談会
東洋大学陸上競技部が、日本気圧バルク工業の「低圧低酸素」と「高圧高酸素」の2つのO2 Roomを導入し、その活用術と酒井俊幸監督の育成戦略をまとめた内容です。
1. 導入の背景と「粘りの走り」への寄与
2022年の箱根駅伝で見せた復路の追い上げと粘り強い走りの背景には、昨秋導入したO2 Roomの効果がありました。主将の前田義弘選手や九嶋恵舜選手は、ポイント練習以外のジョグを低圧低酸素下で行うことで、脚への負担を抑えつつ心肺機能と持久力を強化。これが駅伝終盤の「1秒を削り出す」粘りにつながったと分析しています。
2. 酒井監督の3つの狙い
酒井監督は導入の目的として以下の3点を挙げています。
高地順化の効率化: 合宿前から学内で実際の高地環境を再現し、現地到着後すぐに高負荷練習に入れる体制を作る。
質の高いリカバリー: 高圧高酸素ルームをセットで使うことで、厚底シューズの普及により高まった練習負荷による疲労を素早く取り除く。
卒業後を見据えた自立: 実業団でも主流の低酸素トレーニングを在学中から経験させ、自身の血中酸素飽和度を管理できる「自主性」を養う。
3. エースの飛躍とチームの展望
ハーフマラソンで学生歴代2位を記録した松山和希選手や、パリ五輪を目指す石田洸介選手もこの設備を積極的に活用し、コンディショニングと体作りを徹底しています。今季は全日本大学駅伝の選考会や関東インカレが控えるタフなシーズンですが、最先端の環境を武器に、鉄紺の伝統である粘りの走りで駅伝日本一への返り咲きを目指します。

