【東洋大学】正月決戦で示した鉄紺のプライド。「その1秒をけずりだせ」第2章を支える酸素ルームの活用術

2024年の箱根路、東洋大学は下馬評を覆す快走を見せました。前回10位、全日本大学駅伝では過去ワーストの14位と苦戦が続くなか、19年連続となるシード権獲得どころか、トップスリーにわずか21秒差と迫る総合4位に食い込んだのです。この「大逆転劇」の舞台裏には、酒井俊幸監督が導入した日本気圧バルク工業の酸素ルーム「O2Room®」による、徹底した「トレーニング」と「リカバリー」の戦略がありました。


1. 全日本14位からの再浮上を支えた「個の変革」

全日本での惨敗後、チームには「このままでは18年続いたシード権が途切れる」という強い危機感が走りました。しかし、酒井監督は「今回は個々の体調管理がしっかりできており、意識レベルが前回とは違った」と語ります。主将の松山和希選手を中心に「3位は譲れない」という強固な意志が、リスクを恐れない「攻めの調整」へとチームを突き動かしました。

2. 低圧低酸素ルーム:故障者の早期復帰と脚筋力の強化

復活劇の鍵を握ったのは、故障に苦しんでいた主力選手たちの早期戦線復帰でした。東洋大学が導入している低圧低酸素ルームは、高さ2.5m、幅2.5m、奥行き4.0mの大型サイズで、内部にトレッドミルとワットバイクを完備しています。

  • 九嶋恵舜選手(4年)の復活: 故障で出遅れていた九嶋選手は、ルーム内でのジョグを徹底。標高1500〜1600mの設定で心肺機能を高めつつ、トレッドミルで走りの精度を修正した結果、11月のハーフマラソンで好走し、箱根1区のスタートラインに間に合わせました。

  • 松山和希選手(4年)の脚筋力強化: 4区で区間2位と快走した松山選手は、週2〜3回このルームを活用。トレッドミルに4〜6%の傾斜をつけ、アスファルトより負荷の少ない環境で効率的に脚筋力を鍛え上げました。「外のジョグよりも追い込めたことが箱根の走りにつながった」と手応えを語っています。

3. 高気圧酸素ルーム:リカバリーと「試合直前」の新たな活用

トレーニングで追い込んだ身体を癒やすのが、高気圧酸素ルーム(高さ1.9m、幅1.5m、奥行き2.55m)です。

  • 梅崎蓮選手(3年)のルーティン: 花の2区で区間6位と好走した梅崎選手は、箱根前の1ヶ月間、毎日のように入室。内部でストレッチや仮眠をとることで、肉体的な疲労を翌日に残さない工夫をしていました。

  • 岸本遼太郎選手(2年)の「試合前活用」: 10区区間賞の岸本選手は、レース直前にも活用。「体内に酸素を取り込めた感覚になり、スッキリする」と、メンタル面でのポジティブな影響も口にしています。トレーナー陣も、入室後の筋肉が柔らかくなる効果を実感しており、今や「試合前の新習慣」として定着しています。

4. 安全性と信頼が生む「選手主導」の運用

日本気圧バルク工業の製品は、複数の大学や病院との共同研究に基づいたエビデンスがあり、事故ゼロの実績を誇ります。その高い安全性と操作の簡便さから、東洋大学では監督が細かく指示を出すのではなく、選手の自主性に任せて運用されています。この「自ら考え、コンディションを整える」姿勢こそが、酒井監督の提唱する意識改革と合致しました。

5. 「その1秒をけずりだせ」第2章の幕開けへ

今回の総合4位は、単なるシード権確保以上の意味を持ちました。酒井監督は「3位に迫る4位には、内容にすごく意味があった。今季の再建を、来季の覚醒につなげたい」と語り、チームのスローガンである**「その1秒をけずりだせ」の第2章**を宣言しました。

2025年、節目の20年連続シード、そしてその先にある王座奪還へ。鉄紺の精鋭たちは、酸素テクノロジーという強力なバックアップを武器に、さらなる高みを目指して走り続けます。


東洋大学 陸上競技部 日本気圧バルク工業「O2Room®」導入(低圧低酸素・高気圧酸素) ※この記事は『月刊陸上競技』2024年3月号を基に構成しています。

https://www.rikujyokyogi.co.jp/archives/127796

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